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【将棋戦法ミニ事典ー中飛車編vol.54】ゴキゲン中飛車対☗5八金右超急戦④室岡新手☗3三角

【将棋戦法ミニ事典】では、昭和の定跡から最新戦法までさまざまな基本戦法を解説しています。本記事のテーマは「ゴキゲン中飛車対☗5八金右超急戦」です。詳細は下の【テーマ図解説】をご覧ください。

テーマ図解説

テーマ図はゴキゲン中飛車対☗5八金右超急戦の定跡型のひとつ。図の☗3三角は室岡新手と呼ばれる定跡で、2006年〜2011年に掛けて実戦例が多い。

図では☖4四銀☗同角成☖同歩☗6六香...と進むのが定跡で、中には詰みまで研究が進んでいる変化もあると言われている。

【第1図】24手目☖4四銀

テーマ図からの指し手
☖4四銀(第1図)

テーマ図の☗3三角には☖4四銀(第1図)と打つのが定跡化された手。ここで角を逃げるのでは先手は何をやっているのかわからないので☗同角成と角を切る。

【第2図】27手目☗6六香

第1図からの指し手
☗同角成 ☖同 歩
☗6六香(第2図)

第2図☗の6六香は超急戦の戦型ではよく出る攻め筋。次に☗6三香成を狙っているので後手は6三の地点を受ける必要がある。従来はここで☖5四銀と打って「桂先の銀定跡なり」の形で受けていたのだが、現状後手は銀の手持ちがない。☖5四角と代用すると☗4三銀と絡まれてまずいことになる。

【第3図】29手目☗8二銀

第2図からの指し手
☖7二銀 ☗8二銀(第3図)

第2図の☗6六香には、☖7二銀と盤上の銀を使って受けるのが定跡。これで玉頭の守りはカバーできたが、今度は☗8二銀(第3図)と打たれる隙が生じている。テーマ図で☗3三角と打つ室岡新手の狙いはこの手にあったのだ。

【第4図】30手目☖2七角

第3図からの指し手
☖2七角(第4図)

第3図の☗8二銀には☖2七角(第4図)と打つのが主流の定跡。第4図から☗8一銀不成☖同銀と進んだ変化で、6三の地点に遠く利かせている意味がある。第4図の☖2七角では、他に☖5四香、☖5三香、☖5七歩、☖8九馬が指されているが、変化が膨大なので省略します。

【第4図】31手目☗9一銀成

第4図からの指し手
☗9一銀成(第5図)

第4図の☖2七角には☗9一銀成(第5図)と香車を取る手が定跡。将来☗6五香打と後手玉頭を狙って集中砲火する手を狙いとして力を蓄えておく。この手では代えて☗8一銀不成と桂馬を取る変化も実戦例があるが、☖同銀☗7五桂☖6六馬と進めて後手良しになる。

【第6図】32手目☖5三香

第5図からの指し手
☖5三香(第6図)

第5図の☗9一銀成には☖5三香(第6図)と打つのが定跡化された手。これには☗4三桂成と飛車取りに成り込む手が当然に見えるが、☖8九馬☗5二成桂☖同金右と進むと後手陣が堅く先手苦戦。先手陣は次に☖5七歩☗同金☖4五桂の攻めが厳しい。

【第7図】33手目☗8一成銀

第6図からの指し手
☗8一成銀(第7図)

第6図で最初に指された手は☗4三桂成だったが、☗8一銀成(第7図)の登場以降はこちらが主流になった。第7図で☖8九馬なら☗6三桂成☖同銀☗6五香打と先攻していける。一手進むごとに急所が変わる複雑な終盤を迎えている。

【第8図】37手目☗6五香打

第7図からの指し手
☖5五香 ☗同 歩
☖8一銀 ☗6五香打(第8図)

第8図の局面は終盤戦まで進んでいるが、まだまだ定跡化されている局面で公式戦の実戦例も複数ある。実戦例のある後手の指し手は①☖7一玉、②☖7四銀、③☖5一桂、④6六馬と分岐するが、最善手は①☖7一玉だと言われている。

【第9図】38手目☖7一玉

第7図からの指し手
☖7一玉(第9図)

第9図の☖7一玉は王将戦のタイトル戦で久保利明王将が指した手。第9図まで進むと「後手指せる」と言う評価になる。ここまでの手順中先手はどこかで変化したいが、色々な手が試された結果あまり良い結果は得られなかった。

【第10図】40手目☖5五飛

第9図からの指し手
☗6三香成 ☖5五飛(第10図)

第10図の☖5五飛が2011年当時の最新研究手。門倉啓太六段の家にある将棋ソフト「BONANZA」が発見した新手だと言う。第10図の形勢をAIに調べさせると、後手にわずかに振れる(+50前後)。この定跡はここからさらに研究が進んで、詰みまで研究が進んでいると言われている。

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