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【将棋戦法ミニ事典ー中飛車編vol.53】ゴキゲン中飛車対☗5八金右超急戦③堀口新手☗7五角

【将棋戦法ミニ事典】では、昭和の定跡から最新戦法までさまざまな基本戦法を解説しています。本記事のテーマは「ゴキゲン中飛車対☗5八金右超急戦」です。詳細は下の【テーマ図解説】をご覧ください。

テーマ図解説


テーマ図はゴキゲン中飛車対☗5八金右超急戦の定跡型のひとつ。堀口弘治八段が最初に指したので「堀口新手」と呼ばれる。
図からは☖3二銀☗1一竜☖9九馬と進むのが定跡で、そこで①☗2二歩(第3図)と、②☗2四歩(第7図)に分岐する。

【第1図】22手目☖3二銀

テーマ図からの指し手
☖3二銀(第1図)

テーマ図の☗7五角はこの戦型では頻出する攻め筋で、次に☗3一角成からの二枚替えを狙いとしている。後手は☖5一飛と引いて受ける手と、☖3二銀と銀をかわして受ける二通りの受け方がある。

【第2図】24手目☖5一金右

第1図からの指し手
☗1一竜 ☖5一金右(第2図)

後手は☖9九馬〜☖8九馬を早く指したいが、一旦は☖5一金右(第2図)と寄るのが定跡。この手を指しておかないと、☗3三香と打ち込まれる手が厳しい。

【第3図】25手目☗2二歩

◎第2図からの指し手①
☗2二歩(第3図)

☖5一金右は4一の金に紐を付けた意味。ここまで固められると、☗3三香には☖同銀と取られて失敗に終わる。そこで先手の継続手は☗2二歩(第3図)が考えられる。次に☗2一歩成〜☗3一との攻めは着実な攻めで、後手は部分的に受けがない形。

【第4図】26手目☖7四歩

◎第3図からの指し手
☖7四歩(第4図)

☗2二歩(第3図)の垂らしには、☖7四歩(第4図)と突いて角の逃げ場所を問うのが定跡とされている。先手は角の逃げ場所は四ヶ所あるが☗8六角が正解。他の場所に逃げるのはダメで、①☗6六角は☖8九馬☗2一歩成☖6五銀で後手有利、②☗5七角は☖4五銀で後手有利、③☗4八角は☖5四歩で後手有利になる。

【第5図】28手目☖5四歩

◎第4図からの指し手①
☗8六角 ☖5四歩(第5図)

☖7四歩の打診には、☗8六角と逃げる手が先手の最善手。

【第6図】32手目☖7三銀

第5図からの指し手
☗9五角 ☖8四歩
☗同 角 ☖7三銀(第6図)

第6図までの手順は2003年の羽生善治竜王ー山﨑隆之五段戦の実戦の進行。第5図で先手が一番指したい手は☗2一歩成だが、☖5五歩と桂馬を取られると次の☖5六歩が厳しく後手が指せる。5五の桂馬がいなくなると、後手の8八馬が遠く1一竜に利いてくるので先手は都合が悪い。

【第7図】25手目☗2四歩

◎第2図からの指し手②
☗2四歩(第7図)

ここからは、第3図の☗2二歩に代えて☗2四歩(第7図)と垂らす手を見ていく。☗2二歩だと、次に☗2一歩成としても速度が遅く、迫力がないということでの改良案である。

【第8図】27手目☗1三竜

第7図からの指し手
☖9九馬 ☗1三竜(第8図)

第7図以下、☖9九馬に☗2三歩成☖同銀☗4三桂成とするのは、☖1一馬と竜を取られて先手失敗。なので、先手は一旦は☗1三竜(第8図)と引いて力を貯めておく。これで次に☗2三歩成や☗4三桂成の攻めを見せる。

【第9図】32手目☖8九馬

◎第8図からの指し手
☖7四歩 ☗8六角
☖5七歩 ☗同 金
☖8九馬(第9図)

☗2四歩型でも、後手は☖7四歩と突いて角の逃げ場所を問うのが定跡。①☗6六角は☖8九馬〜☖6四香で後手有利、②☗5七角には☖5五飛〜☖5六香が厳しく後手有利、よって③☗8六角が最善だが、角のラインが変わったので☖5七歩と急所に歩を叩く手が入った。

【第10図】34手目☖4五桂

第9図からの指し手
☗2三歩成 ☖4五桂(第10図)

第9図以下、後手は☗2三歩成に☖4五桂(第10図)と急所に桂馬を設置する。☗5八金引には☖5七香、☗6六金には☖6六香があり、先手がこの攻めを振り解くのは難しそうだ。第10図の形勢は互角ぐらい。評価値は後手に50点ほど振れたり振れなかったり。

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