2023年6月1日、将棋界に歴史上二人目となる七冠王が誕生した。
1996年に羽生善治九段が達成して以来の歴史的快挙の瞬間だった。
これで藤井聡太竜王・名人の残すタイトルは、永瀬拓矢王座が保持している王座のタイトルだけとなった。
王座戦の挑戦者を決めるトーナメントで、藤井竜王・名人は現在ベスト8にまで勝ち上がっており、あと3勝すればタイトル挑戦権を獲得できる。
第81期名人戦七番勝負まとめ
今期の名人戦を振り返って私が思ったことは、角換わり腰掛け銀が一度も出現しなかったことに尽きる。
角換わりの戦型は藤井竜王が得意とするところでもあるので、渡辺名人としても相手の研究を外したかったのだと推測できる。
第1局は渡辺名人が先手番で角道を止める変化球。
第2局は藤井竜王が先手番。後手の渡辺名人が4手目に角道を止める変化球。
第3局は渡辺名人が先手番。後手の藤井竜王が角道を止める将棋を選んだ。
第4局は藤井竜王が先手番。後手の渡辺名人は再び4手目に角道を止める作戦。
第5局は渡辺名人が先手番。後手の藤井竜王が第3局と同じく角道を止める作戦に。
名人戦で指された将棋は、当然だが周りの棋士からも注目される。今年度は角換わりを避ける指し方が流行するのかもしれない。
〜終わりに〜
藤井聡太七冠と羽生善治七冠の、七冠達成時のデータを比較してみる。
七冠達成時年齢 | 七冠達成時成績 | タイトル戦成績 | |
藤井聡太 | 20歳10ヶ月 | 326勝65敗(.834) | 14勝0敗 |
羽生善治 | 25歳4ヶ月 | 495勝155敗(.762) | 24勝2敗 |