今回紹介するB級戦法は「難攻不落銀立ち陣」です。
ものものしいネーミングだが、一体どういう戦法なのだろうか。
ごちゃごちゃ説明してもアレなので、まずは完成形を見ていただこう!
図の後手の駒組みが、今回のテーマ「難攻不落銀立ち陣」の理想系となる。
確かにここまで組むことができればなかなかの難攻不落っぷりだが、果たして先手がそれを許してくれるのか...。という疑問はさておき。
難攻不落銀立ち陣は普通の角換わりの出だしではじまる。まず最初のポイントは☖3五歩と3筋の歩を伸ばすところにある。
これだけ早い段階でここの歩を伸ばす人はなかなか居ない。いかにも何か訳のわからないことをしてくる雰囲気が半端ではないが...。
位を取ったら位の確保。いかにも力将棋風で変態チックな銀立ち。
銀に続いて桂馬も跳ねる。後手は次に☖2五銀と歩をかすめ取ることができればかなり大きい。
ということで、ここで先手は☗2四歩と突いて飛車先の歩を交換しにいきます。
☗2四歩☖同歩☗同飛に☖2三金と上がるのは、一手損角換わりの戦型でよくみる対応の仕方だ。
注意しなくてはいけないのは、玉の移動は4一→3二のルートで移動することだ。もし☖4二玉とすると、その瞬間☗2四歩☖同金☗2二角の仕掛けを誘発してしまう。
何はともあれ右の金を囲いにくっつけてひと安心。ここまで組めばかなり上部に手厚い布陣である。
金銀が四枚密集する形を作り、後手の陣形はこれでほぼ完成と言っても良いだろう。
盤面右側は完全に後手が制圧している状態。こうなってしまうと先手からは手が出せない。
今回紹介させてもらった「難攻不落銀立ち陣」は、マイナビの「B級戦法の達人」という書籍を参照にさせていただきました。