まずはこの局面をご覧ください。
なんてことない横歩取り模様の出だしですね。
先手は当然☗3四飛と横歩を...と見せかけて。
ずばーん!
なんと!いきなり飛車を切る手があるとは...。
飛車切ってもうて...どうすんのこれ?って思いましたね?
☗7五角!
これが横歩取り☗7五角戦法だ!
見たことあります?わたしはネット将棋で昔2回くらいやられたことがあります。
この局面、後手の候補手としては、
①☖8八飛成
②☖7六飛
③☖8二飛
ぐらいでしょうか。
この中で、②の☖7六飛と、③の☖8二飛は、初見ではなかなか指せません。
というのも、5三の地点に馬を作られてしまうから。
実戦でいきなりこの局面を見たら、90%以上の人は☖8八飛成とするのではないかと思う。
とは言っても、実際に☖7六飛とされたときの対処法も見ておきましょう。
☗5三角成は当然の一手。対して☖6二銀などと受けてくれれば、☗5四馬で先手のいわゆる「馬得」になります。
☗5三角成には☖5六歩(☗同歩なら☖同飛が王手馬取り)が後手からしたらうまい反撃に見えますが、☗2二角成(☖同金は☗4二銀で詰み)がそれを上回る一手でいきなり終盤戦に突入します。
どうなんのこれ?
後手玉は二枚の馬で攻められていますが、現状は詰めろになっていません。ここで先に先手玉に詰めろをかけて迫る順があればいいのですが...。
単に☖5七歩成は詰めろにならないので☗3二馬で負け。そこで、☖7八飛成と切ってから☖5七歩成とすることで先手玉に詰めろがかかりました。
さあ!
先手はとりあえず☖6八金を受ける必要があります。☗6九銀打と駒を使って受けると☖2二金でおかしくなる。☗6九銀と盤上の銀を引いておけば、難解ながら先手有望の終盤戦になります。
☗7五角に☖7六飛は乱戦になるものの先手有望だった。今度は☖8八飛成と切ってから☖5二玉と受ける順を見ていきます。初見ならまあ大体こう進むのではないでしょうか。
☖5二玉には☗7七桂と跳ねてみたい。後手としては何かあったら怖い局面ですが、普通に指すなら☖7二金。☗6五桂と跳ねられますが☖6二銀で中央を受ける。
5三の地点でバラして☗5一飛の王手!8一の桂馬は先手の駒と計算して、駒割りは☗銀☖角交換で先手の駒損。後手としてはかなり嫌な局面ですが、形勢は不明。