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【将棋】プロ棋士とアマチュアの棋力の差はどれほどか?

みなさんこんにちは、編集部のさめはだです。

将棋界は、毎年6月になると朝日杯将棋オープン戦が開幕する季節になります。本棋戦の開幕カードは毎年恒例となっており、新人棋士10名とアマチュアの強豪10名の一斉対局で始まる。

若き新四段とトップクラスのアマチュアの差はどの程度のものか。

アマチュアが参加できる公式戦

アマチュアがプロ棋士と公式戦で対局するためには、アマチュアの参加枠のある棋戦に出場するしかない。

2023年現在、アマチュアが参加可能な公式棋戦は「竜王戦」「叡王戦」「棋王戦」「朝日杯」「銀河戦」「新人王戦」「青流戦」の6棋戦。

竜王戦は、ランキング戦の6組に毎年5人のアマチュアが参加できる仕組みだ。これまでの最高成績は第4期の天野高志アマと、第34期の小山怜央アマの準決勝敗退がある。

新人王戦では2010年度に加来博洋アマが決勝三番勝負まで進出する快挙。1回戦で菊池三段に勝利すると、村山慈明五段、永瀬拓矢四段、佐藤天彦五段、西川和宏四段を連覇。決勝三番勝負では阿部健治郎四段に1勝2敗で敗れたものの準優勝という結果を残した。

清流戦では2015年度に稲葉聡アマが、アマチュアとしてプロ公式戦で初めて優勝するという快挙を成し遂げている。

朝日杯将棋オープン戦プロアマ一斉対局の成績

四段昇段間もないプロ棋士と、アマチュアトップクラスの選手とではどのくらいの力の差があるのか。2007年から2023年までに行われた朝日杯将棋オープン戦一斉対局の戦績をご覧いただこう。

年度 プロ棋士 アマチュア
2007 7勝3敗 3勝7敗
2008 7勝3敗 3勝7敗
2009 7勝3敗 3勝7敗
2010 10勝0敗 0勝10敗
2011 9勝1敗 1勝9敗
2012 5勝5敗 5勝5敗
2013 9勝1敗 1勝9敗
2014 8勝2敗 2勝8敗
2015 6勝4敗 4勝6敗
2016 6勝4敗 4勝6敗
2017 9勝1敗 1勝9敗
2018 9勝1敗 1勝9敗
2019 5勝5敗 5勝5敗
2020 1勝1敗 1勝1敗
2021 7勝3敗 3勝7敗
2022 7勝3敗 3勝7敗
2023 9勝1敗 1勝9敗
通算 121勝41敗(.747) 41勝121敗(.253)

2007年度にスタートしたプロアマ一斉対局は、これまでに162局が行われプロ側の121勝、アマチュア側の41勝と、プロ側が大きく勝ち越している。

2007年以降、過去17年間でアマチュアがプロ棋士に勝ち越した年は一度もなく、最も成績が良かった年でも5勝5敗の指し分けとなっている。

アマチュア強豪の公式戦成績

次はアマチュア強豪として活躍が目立つ個人にスポットを当ててみました。

アマチュアの強豪で、現在公式戦通算勝利数が最も多いのは早咲誠和アマの17勝。次いで稲葉聡アマの14勝となっている。

早咲誠和アマ=公式戦通算17勝

早咲アマは大分県在住で、1973年生まれの49歳。アマチュア名人戦、アマチュア竜王戦、アマチュア王将戦など数々の大会での優勝経験があり、アマチュア将棋界で最強との呼び声も高い。

早咲アマの公式戦の対局数は41局と、アマチュア選手の中では歴代最多。

プロ通算成績は、41局指して17勝24敗。

稲葉聡アマ=公式戦通算14勝

稲葉聡アマ1985年生まれの37歳。愛知県在住で、プロ棋士の稲葉陽八段の実兄。2015年度にプロの棋戦である加古川清流戦で優勝という快挙を成し遂げた。

プロ公式戦通算成績は、27局指して14勝13敗。

横山大樹アマ=公式戦通算12勝

横山大樹アマは1990年生まれの33歳。北海道札幌市在住。朝日アマ名人戦6連覇中で、アマチュア将棋界ではトップクラスの実力者。

プロ公式戦通算成績は、33局指して12勝21敗。

アマチュア強豪の公式戦成績(10勝以上)

アマチュア時代に好成績を挙げ、プロ編入試験を経てプロ棋士になった4名(瀬川晶司、今泉健司、折田翔吾、小山怜央)のアマチュア時代の公式戦成績も掲載しておきます。

名前 公式戦成績
早咲誠和アマ 41局=17勝24敗
稲葉聡アマ 27局=14勝13敗
横山大樹アマ 33局=12勝21敗
清水上徹アマ 26局=10勝16敗
中川慧梧アマ 21局=10勝11敗
遠藤正樹アマ 21局=10勝11敗
加来博洋アマ 16局=10勝6敗
【参考】瀬川晶司(現六段) 27局=17勝10敗
【参考】今泉健司(現五段) 30局=17勝13敗
【参考】折田翔吾(現五段) 15局=11勝4敗
【参考】小山怜央(現四段) 31局=16勝15敗

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