2023年7月3日、第94期棋聖戦五番勝負第3局が行われた。
本日は藤井棋聖が先手番と決まっている。戦型は藤井棋聖の得意戦法である角換わり腰掛け銀となり、お互いに流行の一段飛車の形に構える。
角換わり腰掛け銀特有のジリジリとした展開となり、佐々木七段の玉が4二→5二→6三→7二と移動して右玉の定位置に収まった。
先手の藤井棋聖がどこから仕掛けるかが最初のポイントでしたが、本局はなんと☗9七桂!(図)と、見たことのない使い方を披露。
ポイント
☗9七桂と跳ねた藤井棋聖の構想は、☗8九飛〜☗8六歩☖同歩☗同銀の「逆棒銀」
藤井棋聖が☗9七桂に使った消費時間はわずか13分であることから、事前研究であることは明らかである。
ここまで24分しか消費時間を使っていなかった佐々木七段も流石に想定外だったのだろう。この手に対して56分の長考で☖4四銀。
それにしても、角換わりや矢倉の戦型で端に桂馬を跳ねる手はあまり見たことがない。